赤い風の吹く荒野、その風に乗って遠くからエンジンの唸りが聞こえてくる。
望みの機関車が現れることを願い、男たちは地平線の向こうを凝視する。
ここはモンゴル。撮り鉄の運と体力が試される国。
Bayan & Khonhor
Баян & Хонхор / バヤン・ホンホル
May 2018 / ホンホル駅付近 / ザミンウード行鈍行列車
Feb 2023 / ホンホル駅付近 / 大陸横断貨物列車
首都ウランバートルからほど近い、バヤン駅・ホンホル駅。
この辺りは高低差を克服するためにカーブが連続する、モンゴル鉄道撮影の聖地である。
線路があちらこちらへ向きを変えるため、太陽の動きに合わせて移動すれば一日中順光で撮影を楽しむことができる。
大学生の頃などは旅費を節約するために、この辺りを徒歩で歩き回ったのだが、今考えると無茶をしたと思う。
Shariin Gol
Шарынгол / シャリンゴル
Feb 2023 / シャリンゴル支線
May 2023 / シャリンゴル支線
モンゴルというと中国国境からロシア国境に抜ける縦貫鉄道が注目されがちだが、実はいくつか支線がある。
北部ダルハンからシャリンゴル炭鉱まで伸びるシャリンゴル支線もその一つ。
この路線は2023年当時、旧式機関車の2M62が中心となって運用が賄われており、かつ貨客混合列車も残っているなど、縦貫鉄道とは一味違うディープな路線として我々を惹きつけてやまない場所であった。
特に2023年2月の訪問時は、モンゴルに残るM62シリーズ機関車の中でも一際美しい2M62MM-004号機がこの路線を担っており、我々は歓喜したのである。
M62シリーズが残る国はまだ多いものの、初期車特有の大型スカート、丸目ヘッドライトなどが綺麗に残り、斯様に温和な表情となっている車両は稀と言えよう。
Feb 2023 / シャリンゴル支線
Govi
Говь / ゴビ砂漠
May 2023 / Нартын хошуу駅付近 / ザミンウード発鈍行列車
Feb 2023 / ゴビ砂漠地域
モンゴル縦貫鉄道の南半分は、ゴビ砂漠を貫いて走っている。
ゆるやかな起伏のほかには遮るもののない大地、時折襲いくる砂嵐。
シルクロードをゆくキャラバンのように、静かに大地を進む列車の影を、ドローンで追いかけるのもまた一興である。
「荒野鉄」のK氏発案で我々はこの地を訪れたが、私自身、この荒野と共産圏型機関車の組み合わせにはどっぷり魅了されてしまった。
Zamyn-Üüd
Замын-Үүд / ザミンウード
Feb 2023 / ザミンウード駅付近 / 中国国境連絡貨物
縦貫鉄道はこの地で中国国鉄と連結している。
中国側エレンホトとの間の国境超え運用は、旧式2M62型機関車の独擅場。
なんでもこの区間では車体限界の関係上、より大柄な車体を持つ新型機関車は入線できないらしい。
謝辞
2023年の2回のモンゴル鉄道撮影は、現地ガイドであるMonrail.picのT氏あっての大戦果であった。
氏の情報収集力、人脈、運転技術そして人柄は素晴らしいものがあった。
改めて感謝するところである。